9月は防災月間です。
最近、地震だけではなく豪雨や突風、土砂崩れ、浸水が各地で増え、被害も大きいように思います。災害が起こった時、誰しも恐怖や不安が襲います。
でもそういう時だからこそ、心の支えが必要なのは動物達も同じです。心の状態は体力の温存にも影響してきます。
私たち飼い主にとって心の支えである「愛猫・愛犬」を守ることは、自分自身の心身を守る事にも直結します。
ところで、みなさまは『同行避難』と『同伴避難』の違いをご存知ですか?
◆同行避難→避難所まで一緒に避難してくることであって「施設内に一緒に入れる」ということではない。
◆同伴避難→一緒に避難した後に同じスペースや施設内で一緒に避難生活することが出来る
ヴィジョンズがある世田谷区では、ほとんどの避難施設で「同行避難」は受け入れてもらえるようです。
でも、いざという時の災害時の現場はどこでも大混乱。動物よりも人が優先されます。同行避難とは基本的に動物たちは屋外での避難となりますので夏の時期は熱中症も心配ですし、屋外でも避難ができたのはいいけれど、鳴き声や匂い、毛、アレルギーなどの問題で、トラブルも多く、辛い災害現場の中で肩身の狭い思いを強いられることもあります。
ペットを快く思わない人を増やすのも減らすのも飼い主さんのちょっとした配慮の差。
こういう時にこそ少しでも受け入れてもらえるよう、飼い主である私たちが日ごろから迷惑をかけないようにルールやマナーを守った生活を心がけることがやはり大切ですね。
災害の備えとは、決してペット用の備品を備えるだけではありません。
辛い状況の中で私たちも動物たちも体力を温存するためには精神的な負担を少なくするための備えも重要です。
日頃からの健康もしつけも全て「いざという時に命を守る」ことを目標として考え、災害時に少しでもお互いのストレスが少なく過ごせるように様々な場面を想定し、環境に慣らしトレーニングをしておくこと。
例えばケージひとつも「閉じ込める」ではなく動物たちが「安心して過ごせる唯一の場所」と教えてあげるか否かで感じるストレスに雲泥の差が生まれます。
大切な家族も社会の一員と認められるために、日々の生活を考えたり、行動することが動物たちの命を守るための一番の備えになるのです。
みなさま「竜之介動物病院」という病院をご存知でしょうか。
災害時、この大変な時だからこそペットと飼い主を離れ離れにしてはいけないと、一緒に避難生活を送ることが出来る「同伴避難所」を開設された熊本の獣医さんです。
徳田竜之介先生は東日本大震災での支援をきっかけに、動物だけでなく飼い主の心を前に向かわせるには「同伴避難所」が絶対的に必要だとして、いざという時に同伴避難所として開放できるように病院を建て替えられたのです。
大きな地震が少ない熊本に必要があるのか?と当時周囲から失笑されたそうです。
でも先生は強い信念を貫きました。
そして病院建て替えが終わって3年後、震度7が2度も襲ったあの熊本地震が起こったのです。
飼い主さんや動物がどれほどこの病院の存在に救われ、支えられたことでしょう。辛い状況でも一緒にいて世話ができる。飼い主同士の交流がある。笑顔が絶えない避難所だったそうです。
都内で大地震が起こった時、同伴避難は期待できないと思います。
だからこそどんな環境でも自分で守りぬく覚悟が必要で、備えが重要です。特に猫ちゃんは環境の変化は大きなストレスにさらされるので私自身、老猫のあんずさんとの避難は
① 自宅で避難生活
② 車生活
③ テント生活
という感じで避難所にいく選択は低いのですが、すべてが叶わない場合の事までちゃんと想定しておかないといけないと思い、車の後部座席にセットできるベットとトイレも設置でき、大きなメッシュ(夏場でも対応できるよに)のケージを購入しました。
大災害は起こってほしくはないけれど、そうも言っていられない時代に私たちは生きているようです。
皆様も命を守るために「備え」を万全にしていきましょう。